英語独習者による試行錯誤メモ(2017〜2018)
<はじめに>
語学が苦手で英語素人の私が英語勉強に取り組み始めてようやく1年。この間に色々な英語学習法を試してきました。それはある意味では失敗の連続だけど、とにかく諦めずに続けた事で色々とやり方がわかったような気がします。そこで学習はまだまだ道半ばですが取り組みを振り返ってまとめてみたいと思います。
この記事はこれから英語勉強をしようとする人、もしくは何か良い方法がないかと探している人に読んで貰いたい記事です。かなり色々と試してみたので、色々な方法のメリット・でメリットおよびオススメの参考書などについて共有できると思います。
なおこの記事は勉強を続けて行く上での実際のつまづきや悩みを分かりやすく説明する為に、少し長くなりますが省略せずに時系列に書いています。読みながら「あっそれはヤルかも」とか「それはないわ」みたいなツッコミを入れながら追体験をしてもらえれば幸いです。
1.英語学習のコンセプトと動機 〜学習開始前〜
英語学習の動機ですが、もともと私は洋楽や小説が好きなので「いつか英語の原文で小説が読めたら」という思いは古くからあり、また仕事がIT関係なのでググって出てきた英語が読めればもっと調査が助かるのにとずっと思っていました。そして何年かに一度は何かやってみようと「◯◯で出来る英語学習」みたいな本を読んだりしてたのですが、いつも長続きせずという事を繰り返していました。ですが「今やらねば永久に出来ないんじゃないか?」という焦りもありとにかく続けることをテーマに基礎からやり直す事にしました。
しかしそうは言っても何度も挫折をしている経験からは今までとはやり方を変えないとまず続かない気がする。この為に今回はもっと大胆に、細かいセオリーとかは無視して、とにかく自分のやりやすい方法で、つまりは「オレ流」でやる事にしました。そのコンセプトが以下の3つです。
1)可能な限り日本語を使わない方法で学習する
2)日常生活にどうにか英語世界を混ぜる
3)会話は無視、とにかくネットで英語記事がどうにか読めるのを目指す
まず1)ですが、これはどこの国の赤ん坊でも文法など教わらなくても母語ができるようになる。きっと今まで上手く行かなかったのは、文法とか細かい事にこだわりすぎたせいだ。大事なのは理屈じゃないフィーリングだよ・・・と改て言葉にするとアホみたいですが、概ねそんなコンセプトです。(まあとにかく勢いも必要だろうと)
次の2)は、身につかない最大の問題は「そもそも英語を日常で使う機会がない」という問題への対策です。どんなに頑張って覚えても使う機会がなければ結局は忘れる。なのでどうにか日常生活で使う機会を作るという意味です。
最後の3)ですが、これは「会話をしようと考えるから難しい」「もしも読むだけに絞ればもっと簡単じゃないのか?」という考えから、いったん喋る事を捨てました。まあ私の場合は海外旅行行きたいわけじゃないので話す必要性は皆無です。
(実はこの3については学習を進めるうえで問題にぶち当たって軌道修正したのですが、それは以降で説明します)
2.オレ流英語学習の開始(約2ヶ月)
1)洋書「赤毛のアン」をいきなり読んでみる
オレ流学習はまず英語で書かれた小説を一冊読むことから始まりました。ちなみに後から冷静に考えると相当に無謀な試みだったと自分でも思いますが、当時は本気で出来ると思ってました。
そのヒントはネットで読んだ「茂木健一郎が赤毛のアンで勉強した」というエピソードです。茂木氏いわく、彼は赤毛のアンを苦労しながらも最後まで読むことで英語力と自信をつけたといいます。ちなみに私は「赤毛のアン」大ファンで赤毛のアンシリーズ全11冊を読んでます。(続きの物語がある事を知らない人も多いでしょうが)だからこその挑戦でした。
しかしそうは言っても素人が通常の小説を翻訳できるはずもない。なので実際には次のような方法で取り組みました。
まず本を2冊用意する。「英語版:赤毛のアン」と「日本語版:赤毛のアン」
1)まず英語版を見ながらノートに手書きで写す(写経)
2)ちょっとだけ辞書をつかって英文を自分なりに理解しようとする
3)日本語版をみて実際にどんな訳かをチェックする
注1)写経とは、昔の小説家は文豪の文章を書き写して文体を学んだというエピソードにちなんで思いついたものです。ただ読むだけより効果があるかなと思って手書きに挑戦しました。
しかし実際にやってみたら想像以上にこれはキツい作業でした。普段パソコンしか使ってない人間がノートに手書きするのがまずキツい、その上に英語が出来ない人間が英文とにらめっこするのはさらに疲れる。
これ本当に最初の頃は15分ほどやって「ああもう疲れたいったん休憩だ」となりました。それに手書きだとペースが遅すぎていつになると一冊終わるのか見えない。なので途中から手書きは少しだけにして、あとは数ページずつ英文と翻訳を読み較べる事にしました。
そうやってこれを二週間ほどつづけたころ、最初はすぐに疲労困憊していたのが、いつのまにか1時間ぐらい続けられるようになりました。かなり乱暴な学習方法ですが英語に脳を慣らすのには効果があったように思います。
2)英文法の学習(超初心者向け)
いくら英文法にこだわらないといっても完全に無視するわけにはいかず、本屋で選んだ一番薄い参考書「TOEIC TEST対策 中学校英文総仕上げ」をつかって勉強しました。これは問題集でページが少ないのですぐに終わる。ですがそれだけではどうもしっくりこない部分があって他の本も探しました。なかでも一番分からなかったのは「冠詞(aとかthe)」です。冠詞はそもそも日本語にはないので必要性や意味がまず理解できないというのがネックになる。
それを「猿でも解る」という条件つきで探した結果、「ネイティブはこう使う!漫画でわかる冠詞/デビッド・セイン」という本を読む事にしました。この本はマンガで楽に読めるのもあるけど、実際にネィティブが言葉に対してどのようなイメージを持つかという事が詳しく記されていて英語の理解がぐっと進んだ気がします。
例えば「I'd like to eat chicken.(チキンを食べたい)」だがこれが「a chiken」だと鳥一羽を丸々食べたいというニュアンスになるといった話は面白し、逆に文法の重要さについて考えさせられるきっかけにもなる。ちなみに他のマンガでわかるシリーズ(動詞、前置詞・・・)とかも読んで見たけど一番のベストは「冠詞」だと思う。確かにこれぐらいベタに説明してもらわないと日本人には理解できないんじゃないかと思う。
ちなみにこのケースから、受験英語というのは点を取る為だけに的を絞り(無駄なく削ぎ落とし)すぎた結果、かえって本来の意味が理解できなくなって難しくしている部分もあると思うようになりました。周辺知識や雑学などもないと上手くイメージできず、かえって覚えられないこと沢山あるのだと思います。
3)英語学習ソフトを使う:えいご漬け 改訂版(PCソフト)
赤毛のアンの写経をしていて手書きよりもタイプする方が効率が良いと思った経験より、じゃあパソコンで勉強する方が効率的ではないかと思ってソフトを使いました。それが「えいご漬け」です。このソフトは主に「日本語訳を見ながらひたすら英文をタイプする」ことですが、シンプルですぐ始められる上に英語音声も出る。とにかく体で英語を覚えようというコンセプトにはマッチするかなと思ってやってみた。
4)ゲームソフト(英語版)をやる:ペルソナ5 北米版/PS4
当初のコンセプトのひとつに、日常生活にいかに英語を盛り込むかというのがあった。その一環としてやったのが「ペルソナ5 北米版/PS4」です。まあ真面目に勉強ばかりでは疲れるし、好きなゲームならば気分転換しつつ英語に慣れるにはいいと思ったのが理由です。
ちなみに選んだ「ペルソナ5」はもともと私が良く知っているゲームで、実は日本語版でクリア済みでした。(なおかつこのゲームは完全クリアをしようとすると2周するタイプなので2周やっている) でも好きなゲームだしよく知っている方が好都合だと思って始めた。あとは好きだったセリフがが英語ではどう語られるのかに興味もあった。
なお初めて英語でやった時はやっぱり難しく感じた。ペルソナ5は日本の高校生が主人公なので日常会話も多いが、やっぱり英語だとわからない部分が多い。なおこのゲームは文字をログのように辿って読み返したりできるので学習用途には向いている。でもとにかく慣れるのにはいいと思う。あとはゲームっぽい単語は結構覚えられる。(例えば「culprit:犯人」とか)
3.とにかく単語を暗記しないと始まらない(約3ヶ月目)
そうこうしつつ2ヶ月ぐらい経つがまだまだ普通のブログ記事とかは読めない。その最大のネックは単語がわからない事だと思った。そこでここからは集中的に単語を覚える事にした。
じつは最初の頃はオレ龍で色々やっていれば自然に単語も覚えるだろうと考えていたが、そんなに甘くなかった。あるいは若い人ならば同じ量をやればもっと身につくのかもしれない。しかし私はもう既に中年の域なので昔のような記憶力はない。そこで記憶術を使って暗記という「イラスト記憶方で脳に刷り込む英単語」をやってみる事にした。
1)単語暗記の特訓「イラスト記憶方で脳に刷り込む英単語/あさ出版」より
最初に単語暗記で考えていたのは、とにかくイラスト付きの本がないかという事だった。文字だけではイメージがわかない、記憶効率を上げるには具体的なイメージが必要で、だから絵付きの本がないかと探していた。そういう意味では「イラスト記憶方で脳に刷り込む英単語」はまさにぴったりの本である。この本はイラスト+ダジャレや語呂合わせを使って脳に記憶を刷り込むように工夫がされている。
「はぁそんなダジャレなんかで大丈夫なの?」というツッコミがありそうな気がするが、実はこれが意外に記憶できる。頑張れは1日で90単語ぐらいは暗記できた。ただし翌日は復習とかも兼ねるので毎日90個ずつとはいかない。しかしそれでも結構効果はあったと思う。あと少し話がそれるけどこの本をやっていたお陰で、なにか記憶のコツを掴めた気がした。
記憶は不思議なもので、効率よく覚えようと綺麗にノートとかにまとめすぎると却って覚えにくかったりする。つまり軽すぎると覚えられない。むしろ幾らかは余計な情報や不純物が混じったぐらいの方がいいみたいだ。今にして思えば年代暗記の語呂合わせとかは、ただの数字に無理やり他の意味をこじつけて重さを付けるテクニックなのだろう。だから逆にシンプルにしすぎると却って効率が落ちる場合もある。
この本のおかげでかなり暗記はすすんだが、それでも暗記はとても疲れる作業だった。とにかく脳が疲労する、最後の方は本当に脳が発熱しているような感じがするぐらい疲れた。
だがそれなりに暗記できたかなと思った時に、私はこの暗記方法について致命的な問題を見つけてやり方を変える事にする。
その問題は一ヶ月以上経って覚えた単語をチェックリストを作って調べていたときに気がついた。なぜか特定の単語がいくつかうまく覚えられない。それは綴りが似ている単語、もっと突っ込んで言うと「発音が似ててうまく区別できない単語」だった。
つまり何が起こっていたかというと、最初に「contempt:軽蔑」を覚えて次に「contentment:満足」を覚えたとする。すると綴りが多少似ていると上手く区別して発音ができてない為に、頭の中でごっちゃになって「NG)contempt:満足」みたいに間違えてしまう・・・。実はこの問題に気がついた時がこの1年間で一番ショックだった。本当は何よりもまず先に発音訓練から始めるべきだったのだから。
だが冷静に考えるとこれはごく当たり前のことだと思う。そもそも人は暗記しようとするとだいたいはブツブツと呟いて(音に出して)脳に記憶を刷り込もうとする。ならば、声にして区別ができないような単語は覚える時に混じってうまくいかない事があっても不思議はない。しかしここまでの数ヶ月間頑張ってきたのに、よりによって発音がノーマークとは・・・。まあもともとは英文が読めるようになればOKと思っていたので、発音を無視していたがそれが敗因だった。
4.ひたすら発音の特訓(約4〜5ヶ月目)
暗記が上手くできない事から、仕方なく方針を変えて発音の練習を始める事にした。しかも本格的にやるには発音記号からやる必要がある。
1)「英語耳/KADOKAWA出版」を使って発音特訓開始
色々調べた上で最終的にこの本を選んだ理由は、発音の仕方を書いている本はたくさんあってけど、発音練習をどういう心構えや・やり方・期間といった具体的な学習方法を示しているのがこの本しか無かったからだ。あと著者(松澤善好氏)が力説する「そもそも自分が発音できない単語は聞き取れるようにならない」という理屈には説得力があった。なのでこの本を買って発音特訓を始めることにした。
2)「発音博士/iPhoneアプリ」を使って発音チェック
英語耳は非常にわかりやすい良い本なのだが、でも自分がそもそも正しく発音できているかがわからない。どうにか発音をチェックする方法やソフトがないかと考えた。そして辿り着いたの発音博士である。他にも色んなソフトがあったが、この発音博士がユニークなのは自分が喋った内容を発音記号に変換して表示してくれる所だ。なので例えば「r」のつもりで実際は「l」になっているという事が見た目でチェックできる。だがこのソフトを使う事で英語の発音が本当に難しいという事がよくわかった。
例えば「r」がうまくいかない時に、何度も口の形や舌をチェックしてやり直す。だが何回やってもできない。ついに1時間ぐらいかけてもほとんどうまくいかない。最初はそんなものだった。つまりこれは毎日素振りでもするようなノリで練習しないと無理なのだ。たぶん舌の筋肉を付ける所からしないとダメなのだろう。
しかもチェックすると日常的で簡単な単語がまったく発音できてない事にき気がつく。例えばone, two ,threeやgirlとかがまともに言えない。(100点満点で30点だったりとか) そりゃネイティブに通じるわけないよつくづく実感する。
<後日談>
発音というのは本当に地道に時間かけないと無理で、例えば毎朝一回練習を続けていると3ヶ月単位で「あれっいつの間にか滑らかに出来ているきがする」という感じで成長がわかる。おそらくは気長に発音記号にそってなら半年ぐらい+個別単語毎に慣れるまでを1年ぐらいはやるべきなのだろう。
だが効果はあると思う。もしも初心者が初めにここに取り組めば、かなり英語上達スピードが上がるのではないかと思う。この発音練習の成果はのちに色々と実感する事になる。
2)瞬間英作文への取り組み
実はこの頃に英語ブログを作ろうとした事がある。(後から考えれば無謀な挑戦だけれども) それは相変わらず単語のボキャブラリが不足しており、対策として英語をアウトプットする機会を作ればどうだろうと考えたからだ。人間はアウトプット時に最も覚えるという。そこで実際に短いものでも書こうとしたが、いざ始めると想像以上の難しさに挫折した。気がつけば結局はエキサイト翻訳ばかりを使ってやっている。これでは意味がないと1日で止めた。
その時に思ったのがアウトプット向けの勉強の必要性で、そこで「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング/森沢陽介」を始める事にした。この本は「これは良い本です」から「飛行機が到着する時間を知っていますか?」というような中学レベル文法を元に短い英語を話す訓練の本である。目的は単語の暗記ではなく、基礎的な文法や構文にそった英会話の反射神経を養う事だ。ちょうどノリ的にはひたすら野球のノックで受けるような非常に実践的な訓練である。
これ実際にやってみると中学高校レベルの文法をおさらいする意味でも良い勉強になる。やってみれば分かるが読むのと話すのはまったく違う能力で、これは誰もが一回はやる価値があると思う。
3)基礎的な文法のおさらい
瞬間英作文をやっていると所々で文法を正しく理解してない箇所に気がつく。なので英文法のおさらいが必要だと考えるようになった。しかも細かい点よりも全体像をすぐに掴めるようなものが良い。いくつか本をみた中で最終的に私が良いと思ったのは「東大生が書いたつながる英文法/浅羽克彦」と同著「もっとつながる英文法」だった。これはビギナーにも全体像とコツがよく分かる良い本だと思う。なお内容がシンプルなので一週間程度でも無理せず全部読めるのも良い。
5.TOEICに挑戦(約6ヶ月目)
勉強を始めて半年ぐらいでTOEICの腕試しをする事にした。ここまで頑張ったのだからそれなりにいけるかなと考えていたので、一ヶ月後の12月試験に申し込んだ。そしてまずTOEIC向けの手始めとして模試「TOEIC L&Rテスト至高の模試600問/アルク社」を自宅でやってみた・・・。だが結果は散々だった。なんというか点数以前にテストを最後まで耐えられなくてギブアップするというダメダメさだ。
まずリスニングがさっぱり。あららら?という感じで意味も分からぬままに時間がすぎる。何一つまともに回答できず。そしてリーディング、だがこちらも大量の英文を前に途方にくれる、P5の文法問題もさっぱり出来ない、ついには模擬試験途中でギブアップした。(すいません身の程しらずでした、と思わず誰かに謝りたくなったぐらいに出来なかった)
1)TOEIC参考書に沿ってテスト勉強
そんなわけでTOEIC試験向けの勉強をする事にした。主に利用したのは「世界一わかりやすいTOEICテスト授業(のシリーズ)/関正生」だ。一冊読んでみて解説がわかりやすかったのでこの著者の本を使って勉強を続けた。その中で自分の課題がよくわかった。
<もっとも致命的な課題>
(1)読むのが遅い。
(2)戻り読みの為にリスニングに対応できない。
ここで戻り読みと言っているのは「まず全体を読みそれから先頭に戻って翻訳をしようとする癖」の事だ。(古文の授業のレ点みたいな読み方) つまりは少なくとも2回英文を読んでいる事になる。当然読むのが遅い。しかも致命的な事にこの読み方だとリスニングにまったく対応できない。なぜならば文書ならば戻り読みはできるけど、リスニングでは頭の中を素通りして終わってしまうだけだからだ。
ちなみに発音練習をずっと続けていたのでリスニングで単語そのものは比較的に聞き取れている。だけど文としては認識できずてないので、まるで頭の中を素通りされているような状態になる。ようするに相手が何か言っている時にボーっとしていて、言い終わってからハッとして「えっ今なんて言ったの?」とうノリである。
この戻り読みを直さないと話にならない。対策として一番シンプルなのは英文を指で辿りながら読むことだ。例えば問題集でもとにかく戻り読みをしない。もしも一回読んで分からなけば解くのを諦める。それぐらいにつもりでやる。
2)リピーティングの練習「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング/森沢洋介」
あともう一つの問題はリスニング対策である。あの頭の中をボーっと素通りする感じをなんとかしなければいけない。何か良い学習はないかと探して始めたのがリピーティングである。
この本は簡単なリスニング教材を使ってシャードイングまたはリピーティングの練習を行う。ちなみにシャドーイングとはリスニングに合わせてモゴモゴと自分でエコーのように聞いた言葉を話すこと。リピーティングは文の終わりに聞いた内容を話すことである。
なお私の場合は発音練習もしたかったので主にリピーティングで練習した。
3)TOEIC模試(リスニング)の音源をひたすら聞く
じつはTOEIC模試問題とかにあるリスニングは聞き取りの練習として結構やりやすい。特にパート2は短い文章なので聴きやすい上に、問題を解く練習となるので初心者向けだ。とにかく頭の中を英文が素通りするのをつなぎとめるために、なるだけ時間があるときは模試問題を聞くようにした。ちなみにTOEICのリスニングはどれも発音が綺麗でものすごく聴きやすく学習に適している。
6.はじめてのTOEIC試験(約6ヶ月目)
色々と直前の一ヶ月で頑張ったかいもあってどうにかTOEIC試験をまともに受ける事ができた。テスト結果は500点、これ事前に自分でやっていた模試の結果(400点前後)より良くて本番でうまく力を出せたようだった。ちなみに内容はリスニングがだいたい350でリーディングが150ぐらいだった。
7.再び基礎トレーニング(約7〜11ヶ月目)
TOEICの試験勉強をしたさいに基礎力がまだまだ不足だと痛感した。そこで試験後は地道に基礎をやり直す事にした。
1)DUOを使って単語&構文の記憶
基礎力向上のために「DUO 現在英語の重要単語1600+熟語1000/アイシーピー」の勉強を開始。具体的にはリスニングCDを使ってリピーティングをやる。これはボキャブラ不足と構文勉強が出来てないという基礎学習のためだ。
しかし初めてすぐに躓いた。それはうまく単語が読めないからだ。ずっと「英語耳」に沿って発音学習をしていたが、発音そのものができたとしても個々の単語はうまく読めない。つっかえながらだと学習効果も出ない。よって平行して単語の読み練習も始める事にした。
2)単語耳:単語別の発音練習を開始
DUOの学習で単語が上手く読めない経験より、「単語耳 L3/松澤喜好」と同著「単語耳L4」の練習を始める。内容的には「英語耳」の練習を実際の各単語別に練習できるようにしたものだ。ちなみにこの本はプレフィックス別(接頭辞別)や発音グループ別となっているので単なる発音練習だけではなく、単語そのものを覚えるにも都合が良い。しかし単語数は膨大なので気長に練習する事にした。私の場合は1回が40分程度に治るように分割して日々練習するようにした。
3)NetFlexで海外ドラマの鑑賞
「日常生活に英語を」というコンセプトもあって、もともと英語ドラマ(英語ボイス+英語字幕)で見る習慣をつけたいなと考えていた。でも良い題材がなかなか見つからないので出来てなかった。(おなじの見ているとすぐ飽きるし) その時に知人からNetFlexだと英語字幕つけて見れるドラマが結構あると聞いたので始める事にした。
これは結構おもしろい。なかでも最も好きなのは「Full House」だ。このドラマは男3人で娘3人を子育てするというドタバタコメディだが、子供が主役というのもあって英語がシンプルで学習に都合が良い。それに内容的にも楽しめるから続けやすい。私の場合は英語音声+英語字幕で見て、話が分からなくなりそうになると止めたり少し巻き戻したりしながら見るようにした。
4)ロゼッタストーン:PC向け学習ソフトを使ってみる
ロゼッタストーンはPC向けの英語学習ソフトで、その特徴はいっさいの日本語がでない英語学習ソフトという点だ。そして日本語解説がでない代わりに豊富な写真やイメージで説明をカバーするようになっている。これ自体は私の当初のコンセプト「なるだけ日本語を使わず勉強する」にも一致するし、たまたまキャンペーンで安かったのもあって試した・・・けどすぐに飽きてやめた。
繰り返すがこのソフト、コンセプトは良いと思う。そして発音や聞き取りチェックなど多様な事ができるシステムも良い。だが問題は肝心の中身(コンテンツ内容)がつまらないという点だ。もうちょっとドラマ性とか日常生活っぽくとかあればいいのだけど、実際には無味乾燥な内容ですぐに飽きる。システムがいいだけに残念なソフトだと思う。
8.1年の終わりに再びTOEICに挑戦(約12ヶ月目)
前回受験から半年経過なので再チャレンジする。前回はリーディングだと時間切れで最後までたどり着けなかったが、今回はギリギリたどりつけた。いちおう進歩はしていると思う。試験直前の対策は文法勉強で特にパート5&6を重点にやったけど勉強時間が足りなかった。リーディングでまともな点を取りたくて文法をやったが、しっかりとやるにはもっと時間が必要だと痛感した。試験にはあまり効果はでなかったかもしれない。
ざっと約1年にわたる試行錯誤を振り返ってみた。いま思うと英会話教室に通う以外はほとんどの事を試したような気がする。ちなみに私が英会話教室に行かなかったのは、否定しているわけではなくて単純に時間をかけて(通勤)をするよりは独習の方が効率よいと考えたからだ。あとはもう少し基礎ができてからでないとあまり意味がないと考えたからだ。
(どんなカリキュラムがあったとしても、基礎力が無いと数時間ネィティブと楽しくお喋りした所で効果が出るとは思えない)
ちなみに勉強しているときは何度も「これが出来たらレベルアップする」とか「どこかのタイミングで覚醒したようにできるかも」と心のどこかで思っていたが、それは無かった。特に覚醒は無い。たぶんそういうのは無いのだと思う。
もちろん数ヶ月していつの間にかできるようになっている事に気がつくことがある。例えばペルソナ5を暇つぶしに半年後ぐらいにやると、とてもスムースに読めるようになっていた。ただ成長は非常にゆっくりなので直ぐにはわからない。
今回は時系列に色々な試行錯誤についてまとめてみた。今にして思えばもっとはじめからこうすれば効率良かったのではないかと思う事も多い。それはまた別の記事で書いてみようと思う。ただひとつだけ補足すると、これがダメとか無駄とかいう勉強というのは無くて、重要なのは自分のレベルに合った方法を、どの順番でやるかではないかと思う。
<参考:上記に書いた以外でやってみた事>
1)多読の試み
これはもっとやりたかったが時間が無くて結局は十分にできなかった。だけど参考までに少しやった感じの所感を書いておく。
(a)対訳小説:例)芥川龍之介、オペラ座の怪人など
音声付きの対訳読み物(英語:日本語の両方あり)も実は勉強開始時にいくつかやってみた。でも続かなかった。結局のところすぐ日本語訳に頼ってしまい、あまり意味がない気がしたからだ。ただしこ音声はあとから単独でリスニング教材としては役に立っている部分もある。
(b)ラダーシリーズ:レベル分けした洋書
いくつか読んで見た。最後まで読んだものもあれば途中でやめたものもある。続くかどうかは難易度よりも、物語が面白いか入り込めるかだけの気がする。
・最後まで読んだ:風と共に去りぬ、80日間世界一周、シャーロックホームズ、エルキュールポワロ
・途中でやめた :嵐が丘、レ・ミゼラブル、グリム童話
一番面白かったのは「風と共に去りぬ」いつかは原文も読んで見たい。話に引き込まれてすぐに読めたきがする。なおやめた本にコメントすると・・・。
嵐が丘、レ・ミゼラブル:内容が退屈? 簡単な英語にしようとして失敗かも。レ・ミゼラブルは好きなのだけどこの英文は物語にのめり込めない気がした。
グリム童話:ひとつめの「カエルのお姫様?」を読んでやめた。理由はストーリーが荒唐無稽すぎていきなり話が展開しすぎるので、自分が読んでいるのが正解なのかどうかが分からないからだ。あとから訳をネットで探して読んだけど、こんな荒唐無稽な展開わかるか!!と思わず突っ込んだ。
(c)英文朗読のリスニング
一時期不眠になって、その時になぜか英語のリスニング教材をかけているとよく眠れることに気がついた。そこで色々なリスニング教材を探しているうちにフリーの小説朗読サイト(Loyal Books:世界の古典名作)があるのを見つけて試した。だがこれは結構ハードルが高い。読むスピードが早すぎるし、録音状態もまちまちだ。考えてみればTOEICはものすごく鮮明で聞き取りやすいが、ああいうのは普通ないのだろう。
これをどうにか聞こうとして「再生速度を変えたりできないだろうか?」と考えたのがきっかけでついには「ListeningAsistant /iOS App」を自作する。このソフトはわざわざオフタイマーという機能が付いているが、それは元々は私の不眠対策がきっかけで付けたものだ。実はいまでも活用している。
語学が苦手で英語素人の私が英語勉強に取り組み始めてようやく1年。この間に色々な英語学習法を試してきました。それはある意味では失敗の連続だけど、とにかく諦めずに続けた事で色々とやり方がわかったような気がします。そこで学習はまだまだ道半ばですが取り組みを振り返ってまとめてみたいと思います。
この記事はこれから英語勉強をしようとする人、もしくは何か良い方法がないかと探している人に読んで貰いたい記事です。かなり色々と試してみたので、色々な方法のメリット・でメリットおよびオススメの参考書などについて共有できると思います。
なおこの記事は勉強を続けて行く上での実際のつまづきや悩みを分かりやすく説明する為に、少し長くなりますが省略せずに時系列に書いています。読みながら「あっそれはヤルかも」とか「それはないわ」みたいなツッコミを入れながら追体験をしてもらえれば幸いです。
1.英語学習のコンセプトと動機 〜学習開始前〜
英語学習の動機ですが、もともと私は洋楽や小説が好きなので「いつか英語の原文で小説が読めたら」という思いは古くからあり、また仕事がIT関係なのでググって出てきた英語が読めればもっと調査が助かるのにとずっと思っていました。そして何年かに一度は何かやってみようと「◯◯で出来る英語学習」みたいな本を読んだりしてたのですが、いつも長続きせずという事を繰り返していました。ですが「今やらねば永久に出来ないんじゃないか?」という焦りもありとにかく続けることをテーマに基礎からやり直す事にしました。
しかしそうは言っても何度も挫折をしている経験からは今までとはやり方を変えないとまず続かない気がする。この為に今回はもっと大胆に、細かいセオリーとかは無視して、とにかく自分のやりやすい方法で、つまりは「オレ流」でやる事にしました。そのコンセプトが以下の3つです。
1)可能な限り日本語を使わない方法で学習する
2)日常生活にどうにか英語世界を混ぜる
3)会話は無視、とにかくネットで英語記事がどうにか読めるのを目指す
まず1)ですが、これはどこの国の赤ん坊でも文法など教わらなくても母語ができるようになる。きっと今まで上手く行かなかったのは、文法とか細かい事にこだわりすぎたせいだ。大事なのは理屈じゃないフィーリングだよ・・・と改て言葉にするとアホみたいですが、概ねそんなコンセプトです。(まあとにかく勢いも必要だろうと)
次の2)は、身につかない最大の問題は「そもそも英語を日常で使う機会がない」という問題への対策です。どんなに頑張って覚えても使う機会がなければ結局は忘れる。なのでどうにか日常生活で使う機会を作るという意味です。
最後の3)ですが、これは「会話をしようと考えるから難しい」「もしも読むだけに絞ればもっと簡単じゃないのか?」という考えから、いったん喋る事を捨てました。まあ私の場合は海外旅行行きたいわけじゃないので話す必要性は皆無です。
(実はこの3については学習を進めるうえで問題にぶち当たって軌道修正したのですが、それは以降で説明します)
2.オレ流英語学習の開始(約2ヶ月)
1)洋書「赤毛のアン」をいきなり読んでみる
オレ流学習はまず英語で書かれた小説を一冊読むことから始まりました。ちなみに後から冷静に考えると相当に無謀な試みだったと自分でも思いますが、当時は本気で出来ると思ってました。
そのヒントはネットで読んだ「茂木健一郎が赤毛のアンで勉強した」というエピソードです。茂木氏いわく、彼は赤毛のアンを苦労しながらも最後まで読むことで英語力と自信をつけたといいます。ちなみに私は「赤毛のアン」大ファンで赤毛のアンシリーズ全11冊を読んでます。(続きの物語がある事を知らない人も多いでしょうが)だからこその挑戦でした。
しかしそうは言っても素人が通常の小説を翻訳できるはずもない。なので実際には次のような方法で取り組みました。
まず本を2冊用意する。「英語版:赤毛のアン」と「日本語版:赤毛のアン」
1)まず英語版を見ながらノートに手書きで写す(写経)
2)ちょっとだけ辞書をつかって英文を自分なりに理解しようとする
3)日本語版をみて実際にどんな訳かをチェックする
注1)写経とは、昔の小説家は文豪の文章を書き写して文体を学んだというエピソードにちなんで思いついたものです。ただ読むだけより効果があるかなと思って手書きに挑戦しました。
しかし実際にやってみたら想像以上にこれはキツい作業でした。普段パソコンしか使ってない人間がノートに手書きするのがまずキツい、その上に英語が出来ない人間が英文とにらめっこするのはさらに疲れる。
これ本当に最初の頃は15分ほどやって「ああもう疲れたいったん休憩だ」となりました。それに手書きだとペースが遅すぎていつになると一冊終わるのか見えない。なので途中から手書きは少しだけにして、あとは数ページずつ英文と翻訳を読み較べる事にしました。
そうやってこれを二週間ほどつづけたころ、最初はすぐに疲労困憊していたのが、いつのまにか1時間ぐらい続けられるようになりました。かなり乱暴な学習方法ですが英語に脳を慣らすのには効果があったように思います。
2)英文法の学習(超初心者向け)
いくら英文法にこだわらないといっても完全に無視するわけにはいかず、本屋で選んだ一番薄い参考書「TOEIC TEST対策 中学校英文総仕上げ」をつかって勉強しました。これは問題集でページが少ないのですぐに終わる。ですがそれだけではどうもしっくりこない部分があって他の本も探しました。なかでも一番分からなかったのは「冠詞(aとかthe)」です。冠詞はそもそも日本語にはないので必要性や意味がまず理解できないというのがネックになる。
それを「猿でも解る」という条件つきで探した結果、「ネイティブはこう使う!漫画でわかる冠詞/デビッド・セイン」という本を読む事にしました。この本はマンガで楽に読めるのもあるけど、実際にネィティブが言葉に対してどのようなイメージを持つかという事が詳しく記されていて英語の理解がぐっと進んだ気がします。
例えば「I'd like to eat chicken.(チキンを食べたい)」だがこれが「a chiken」だと鳥一羽を丸々食べたいというニュアンスになるといった話は面白し、逆に文法の重要さについて考えさせられるきっかけにもなる。ちなみに他のマンガでわかるシリーズ(動詞、前置詞・・・)とかも読んで見たけど一番のベストは「冠詞」だと思う。確かにこれぐらいベタに説明してもらわないと日本人には理解できないんじゃないかと思う。
ちなみにこのケースから、受験英語というのは点を取る為だけに的を絞り(無駄なく削ぎ落とし)すぎた結果、かえって本来の意味が理解できなくなって難しくしている部分もあると思うようになりました。周辺知識や雑学などもないと上手くイメージできず、かえって覚えられないこと沢山あるのだと思います。
3)英語学習ソフトを使う:えいご漬け 改訂版(PCソフト)
赤毛のアンの写経をしていて手書きよりもタイプする方が効率が良いと思った経験より、じゃあパソコンで勉強する方が効率的ではないかと思ってソフトを使いました。それが「えいご漬け」です。このソフトは主に「日本語訳を見ながらひたすら英文をタイプする」ことですが、シンプルですぐ始められる上に英語音声も出る。とにかく体で英語を覚えようというコンセプトにはマッチするかなと思ってやってみた。
4)ゲームソフト(英語版)をやる:ペルソナ5 北米版/PS4
当初のコンセプトのひとつに、日常生活にいかに英語を盛り込むかというのがあった。その一環としてやったのが「ペルソナ5 北米版/PS4」です。まあ真面目に勉強ばかりでは疲れるし、好きなゲームならば気分転換しつつ英語に慣れるにはいいと思ったのが理由です。
ちなみに選んだ「ペルソナ5」はもともと私が良く知っているゲームで、実は日本語版でクリア済みでした。(なおかつこのゲームは完全クリアをしようとすると2周するタイプなので2周やっている) でも好きなゲームだしよく知っている方が好都合だと思って始めた。あとは好きだったセリフがが英語ではどう語られるのかに興味もあった。
なお初めて英語でやった時はやっぱり難しく感じた。ペルソナ5は日本の高校生が主人公なので日常会話も多いが、やっぱり英語だとわからない部分が多い。なおこのゲームは文字をログのように辿って読み返したりできるので学習用途には向いている。でもとにかく慣れるのにはいいと思う。あとはゲームっぽい単語は結構覚えられる。(例えば「culprit:犯人」とか)
3.とにかく単語を暗記しないと始まらない(約3ヶ月目)
そうこうしつつ2ヶ月ぐらい経つがまだまだ普通のブログ記事とかは読めない。その最大のネックは単語がわからない事だと思った。そこでここからは集中的に単語を覚える事にした。
じつは最初の頃はオレ龍で色々やっていれば自然に単語も覚えるだろうと考えていたが、そんなに甘くなかった。あるいは若い人ならば同じ量をやればもっと身につくのかもしれない。しかし私はもう既に中年の域なので昔のような記憶力はない。そこで記憶術を使って暗記という「イラスト記憶方で脳に刷り込む英単語」をやってみる事にした。
1)単語暗記の特訓「イラスト記憶方で脳に刷り込む英単語/あさ出版」より
最初に単語暗記で考えていたのは、とにかくイラスト付きの本がないかという事だった。文字だけではイメージがわかない、記憶効率を上げるには具体的なイメージが必要で、だから絵付きの本がないかと探していた。そういう意味では「イラスト記憶方で脳に刷り込む英単語」はまさにぴったりの本である。この本はイラスト+ダジャレや語呂合わせを使って脳に記憶を刷り込むように工夫がされている。
「はぁそんなダジャレなんかで大丈夫なの?」というツッコミがありそうな気がするが、実はこれが意外に記憶できる。頑張れは1日で90単語ぐらいは暗記できた。ただし翌日は復習とかも兼ねるので毎日90個ずつとはいかない。しかしそれでも結構効果はあったと思う。あと少し話がそれるけどこの本をやっていたお陰で、なにか記憶のコツを掴めた気がした。
記憶は不思議なもので、効率よく覚えようと綺麗にノートとかにまとめすぎると却って覚えにくかったりする。つまり軽すぎると覚えられない。むしろ幾らかは余計な情報や不純物が混じったぐらいの方がいいみたいだ。今にして思えば年代暗記の語呂合わせとかは、ただの数字に無理やり他の意味をこじつけて重さを付けるテクニックなのだろう。だから逆にシンプルにしすぎると却って効率が落ちる場合もある。
この本のおかげでかなり暗記はすすんだが、それでも暗記はとても疲れる作業だった。とにかく脳が疲労する、最後の方は本当に脳が発熱しているような感じがするぐらい疲れた。
だがそれなりに暗記できたかなと思った時に、私はこの暗記方法について致命的な問題を見つけてやり方を変える事にする。
その問題は一ヶ月以上経って覚えた単語をチェックリストを作って調べていたときに気がついた。なぜか特定の単語がいくつかうまく覚えられない。それは綴りが似ている単語、もっと突っ込んで言うと「発音が似ててうまく区別できない単語」だった。
つまり何が起こっていたかというと、最初に「contempt:軽蔑」を覚えて次に「contentment:満足」を覚えたとする。すると綴りが多少似ていると上手く区別して発音ができてない為に、頭の中でごっちゃになって「NG)contempt:満足」みたいに間違えてしまう・・・。実はこの問題に気がついた時がこの1年間で一番ショックだった。本当は何よりもまず先に発音訓練から始めるべきだったのだから。
だが冷静に考えるとこれはごく当たり前のことだと思う。そもそも人は暗記しようとするとだいたいはブツブツと呟いて(音に出して)脳に記憶を刷り込もうとする。ならば、声にして区別ができないような単語は覚える時に混じってうまくいかない事があっても不思議はない。しかしここまでの数ヶ月間頑張ってきたのに、よりによって発音がノーマークとは・・・。まあもともとは英文が読めるようになればOKと思っていたので、発音を無視していたがそれが敗因だった。
4.ひたすら発音の特訓(約4〜5ヶ月目)
暗記が上手くできない事から、仕方なく方針を変えて発音の練習を始める事にした。しかも本格的にやるには発音記号からやる必要がある。
1)「英語耳/KADOKAWA出版」を使って発音特訓開始
色々調べた上で最終的にこの本を選んだ理由は、発音の仕方を書いている本はたくさんあってけど、発音練習をどういう心構えや・やり方・期間といった具体的な学習方法を示しているのがこの本しか無かったからだ。あと著者(松澤善好氏)が力説する「そもそも自分が発音できない単語は聞き取れるようにならない」という理屈には説得力があった。なのでこの本を買って発音特訓を始めることにした。
2)「発音博士/iPhoneアプリ」を使って発音チェック
英語耳は非常にわかりやすい良い本なのだが、でも自分がそもそも正しく発音できているかがわからない。どうにか発音をチェックする方法やソフトがないかと考えた。そして辿り着いたの発音博士である。他にも色んなソフトがあったが、この発音博士がユニークなのは自分が喋った内容を発音記号に変換して表示してくれる所だ。なので例えば「r」のつもりで実際は「l」になっているという事が見た目でチェックできる。だがこのソフトを使う事で英語の発音が本当に難しいという事がよくわかった。
例えば「r」がうまくいかない時に、何度も口の形や舌をチェックしてやり直す。だが何回やってもできない。ついに1時間ぐらいかけてもほとんどうまくいかない。最初はそんなものだった。つまりこれは毎日素振りでもするようなノリで練習しないと無理なのだ。たぶん舌の筋肉を付ける所からしないとダメなのだろう。
しかもチェックすると日常的で簡単な単語がまったく発音できてない事にき気がつく。例えばone, two ,threeやgirlとかがまともに言えない。(100点満点で30点だったりとか) そりゃネイティブに通じるわけないよつくづく実感する。
<後日談>
発音というのは本当に地道に時間かけないと無理で、例えば毎朝一回練習を続けていると3ヶ月単位で「あれっいつの間にか滑らかに出来ているきがする」という感じで成長がわかる。おそらくは気長に発音記号にそってなら半年ぐらい+個別単語毎に慣れるまでを1年ぐらいはやるべきなのだろう。
だが効果はあると思う。もしも初心者が初めにここに取り組めば、かなり英語上達スピードが上がるのではないかと思う。この発音練習の成果はのちに色々と実感する事になる。
2)瞬間英作文への取り組み
実はこの頃に英語ブログを作ろうとした事がある。(後から考えれば無謀な挑戦だけれども) それは相変わらず単語のボキャブラリが不足しており、対策として英語をアウトプットする機会を作ればどうだろうと考えたからだ。人間はアウトプット時に最も覚えるという。そこで実際に短いものでも書こうとしたが、いざ始めると想像以上の難しさに挫折した。気がつけば結局はエキサイト翻訳ばかりを使ってやっている。これでは意味がないと1日で止めた。
その時に思ったのがアウトプット向けの勉強の必要性で、そこで「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング/森沢陽介」を始める事にした。この本は「これは良い本です」から「飛行機が到着する時間を知っていますか?」というような中学レベル文法を元に短い英語を話す訓練の本である。目的は単語の暗記ではなく、基礎的な文法や構文にそった英会話の反射神経を養う事だ。ちょうどノリ的にはひたすら野球のノックで受けるような非常に実践的な訓練である。
これ実際にやってみると中学高校レベルの文法をおさらいする意味でも良い勉強になる。やってみれば分かるが読むのと話すのはまったく違う能力で、これは誰もが一回はやる価値があると思う。
3)基礎的な文法のおさらい
瞬間英作文をやっていると所々で文法を正しく理解してない箇所に気がつく。なので英文法のおさらいが必要だと考えるようになった。しかも細かい点よりも全体像をすぐに掴めるようなものが良い。いくつか本をみた中で最終的に私が良いと思ったのは「東大生が書いたつながる英文法/浅羽克彦」と同著「もっとつながる英文法」だった。これはビギナーにも全体像とコツがよく分かる良い本だと思う。なお内容がシンプルなので一週間程度でも無理せず全部読めるのも良い。
5.TOEICに挑戦(約6ヶ月目)
勉強を始めて半年ぐらいでTOEICの腕試しをする事にした。ここまで頑張ったのだからそれなりにいけるかなと考えていたので、一ヶ月後の12月試験に申し込んだ。そしてまずTOEIC向けの手始めとして模試「TOEIC L&Rテスト至高の模試600問/アルク社」を自宅でやってみた・・・。だが結果は散々だった。なんというか点数以前にテストを最後まで耐えられなくてギブアップするというダメダメさだ。
まずリスニングがさっぱり。あららら?という感じで意味も分からぬままに時間がすぎる。何一つまともに回答できず。そしてリーディング、だがこちらも大量の英文を前に途方にくれる、P5の文法問題もさっぱり出来ない、ついには模擬試験途中でギブアップした。(すいません身の程しらずでした、と思わず誰かに謝りたくなったぐらいに出来なかった)
1)TOEIC参考書に沿ってテスト勉強
そんなわけでTOEIC試験向けの勉強をする事にした。主に利用したのは「世界一わかりやすいTOEICテスト授業(のシリーズ)/関正生」だ。一冊読んでみて解説がわかりやすかったのでこの著者の本を使って勉強を続けた。その中で自分の課題がよくわかった。
<もっとも致命的な課題>
(1)読むのが遅い。
(2)戻り読みの為にリスニングに対応できない。
ここで戻り読みと言っているのは「まず全体を読みそれから先頭に戻って翻訳をしようとする癖」の事だ。(古文の授業のレ点みたいな読み方) つまりは少なくとも2回英文を読んでいる事になる。当然読むのが遅い。しかも致命的な事にこの読み方だとリスニングにまったく対応できない。なぜならば文書ならば戻り読みはできるけど、リスニングでは頭の中を素通りして終わってしまうだけだからだ。
ちなみに発音練習をずっと続けていたのでリスニングで単語そのものは比較的に聞き取れている。だけど文としては認識できずてないので、まるで頭の中を素通りされているような状態になる。ようするに相手が何か言っている時にボーっとしていて、言い終わってからハッとして「えっ今なんて言ったの?」とうノリである。
この戻り読みを直さないと話にならない。対策として一番シンプルなのは英文を指で辿りながら読むことだ。例えば問題集でもとにかく戻り読みをしない。もしも一回読んで分からなけば解くのを諦める。それぐらいにつもりでやる。
2)リピーティングの練習「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング/森沢洋介」
あともう一つの問題はリスニング対策である。あの頭の中をボーっと素通りする感じをなんとかしなければいけない。何か良い学習はないかと探して始めたのがリピーティングである。
この本は簡単なリスニング教材を使ってシャードイングまたはリピーティングの練習を行う。ちなみにシャドーイングとはリスニングに合わせてモゴモゴと自分でエコーのように聞いた言葉を話すこと。リピーティングは文の終わりに聞いた内容を話すことである。
なお私の場合は発音練習もしたかったので主にリピーティングで練習した。
3)TOEIC模試(リスニング)の音源をひたすら聞く
じつはTOEIC模試問題とかにあるリスニングは聞き取りの練習として結構やりやすい。特にパート2は短い文章なので聴きやすい上に、問題を解く練習となるので初心者向けだ。とにかく頭の中を英文が素通りするのをつなぎとめるために、なるだけ時間があるときは模試問題を聞くようにした。ちなみにTOEICのリスニングはどれも発音が綺麗でものすごく聴きやすく学習に適している。
6.はじめてのTOEIC試験(約6ヶ月目)
色々と直前の一ヶ月で頑張ったかいもあってどうにかTOEIC試験をまともに受ける事ができた。テスト結果は500点、これ事前に自分でやっていた模試の結果(400点前後)より良くて本番でうまく力を出せたようだった。ちなみに内容はリスニングがだいたい350でリーディングが150ぐらいだった。
7.再び基礎トレーニング(約7〜11ヶ月目)
TOEICの試験勉強をしたさいに基礎力がまだまだ不足だと痛感した。そこで試験後は地道に基礎をやり直す事にした。
1)DUOを使って単語&構文の記憶
基礎力向上のために「DUO 現在英語の重要単語1600+熟語1000/アイシーピー」の勉強を開始。具体的にはリスニングCDを使ってリピーティングをやる。これはボキャブラ不足と構文勉強が出来てないという基礎学習のためだ。
しかし初めてすぐに躓いた。それはうまく単語が読めないからだ。ずっと「英語耳」に沿って発音学習をしていたが、発音そのものができたとしても個々の単語はうまく読めない。つっかえながらだと学習効果も出ない。よって平行して単語の読み練習も始める事にした。
2)単語耳:単語別の発音練習を開始
DUOの学習で単語が上手く読めない経験より、「単語耳 L3/松澤喜好」と同著「単語耳L4」の練習を始める。内容的には「英語耳」の練習を実際の各単語別に練習できるようにしたものだ。ちなみにこの本はプレフィックス別(接頭辞別)や発音グループ別となっているので単なる発音練習だけではなく、単語そのものを覚えるにも都合が良い。しかし単語数は膨大なので気長に練習する事にした。私の場合は1回が40分程度に治るように分割して日々練習するようにした。
3)NetFlexで海外ドラマの鑑賞
「日常生活に英語を」というコンセプトもあって、もともと英語ドラマ(英語ボイス+英語字幕)で見る習慣をつけたいなと考えていた。でも良い題材がなかなか見つからないので出来てなかった。(おなじの見ているとすぐ飽きるし) その時に知人からNetFlexだと英語字幕つけて見れるドラマが結構あると聞いたので始める事にした。
これは結構おもしろい。なかでも最も好きなのは「Full House」だ。このドラマは男3人で娘3人を子育てするというドタバタコメディだが、子供が主役というのもあって英語がシンプルで学習に都合が良い。それに内容的にも楽しめるから続けやすい。私の場合は英語音声+英語字幕で見て、話が分からなくなりそうになると止めたり少し巻き戻したりしながら見るようにした。
4)ロゼッタストーン:PC向け学習ソフトを使ってみる
ロゼッタストーンはPC向けの英語学習ソフトで、その特徴はいっさいの日本語がでない英語学習ソフトという点だ。そして日本語解説がでない代わりに豊富な写真やイメージで説明をカバーするようになっている。これ自体は私の当初のコンセプト「なるだけ日本語を使わず勉強する」にも一致するし、たまたまキャンペーンで安かったのもあって試した・・・けどすぐに飽きてやめた。
繰り返すがこのソフト、コンセプトは良いと思う。そして発音や聞き取りチェックなど多様な事ができるシステムも良い。だが問題は肝心の中身(コンテンツ内容)がつまらないという点だ。もうちょっとドラマ性とか日常生活っぽくとかあればいいのだけど、実際には無味乾燥な内容ですぐに飽きる。システムがいいだけに残念なソフトだと思う。
8.1年の終わりに再びTOEICに挑戦(約12ヶ月目)
前回受験から半年経過なので再チャレンジする。前回はリーディングだと時間切れで最後までたどり着けなかったが、今回はギリギリたどりつけた。いちおう進歩はしていると思う。試験直前の対策は文法勉強で特にパート5&6を重点にやったけど勉強時間が足りなかった。リーディングでまともな点を取りたくて文法をやったが、しっかりとやるにはもっと時間が必要だと痛感した。試験にはあまり効果はでなかったかもしれない。
ざっと約1年にわたる試行錯誤を振り返ってみた。いま思うと英会話教室に通う以外はほとんどの事を試したような気がする。ちなみに私が英会話教室に行かなかったのは、否定しているわけではなくて単純に時間をかけて(通勤)をするよりは独習の方が効率よいと考えたからだ。あとはもう少し基礎ができてからでないとあまり意味がないと考えたからだ。
(どんなカリキュラムがあったとしても、基礎力が無いと数時間ネィティブと楽しくお喋りした所で効果が出るとは思えない)
ちなみに勉強しているときは何度も「これが出来たらレベルアップする」とか「どこかのタイミングで覚醒したようにできるかも」と心のどこかで思っていたが、それは無かった。特に覚醒は無い。たぶんそういうのは無いのだと思う。
もちろん数ヶ月していつの間にかできるようになっている事に気がつくことがある。例えばペルソナ5を暇つぶしに半年後ぐらいにやると、とてもスムースに読めるようになっていた。ただ成長は非常にゆっくりなので直ぐにはわからない。
今回は時系列に色々な試行錯誤についてまとめてみた。今にして思えばもっとはじめからこうすれば効率良かったのではないかと思う事も多い。それはまた別の記事で書いてみようと思う。ただひとつだけ補足すると、これがダメとか無駄とかいう勉強というのは無くて、重要なのは自分のレベルに合った方法を、どの順番でやるかではないかと思う。
<参考:上記に書いた以外でやってみた事>
1)多読の試み
これはもっとやりたかったが時間が無くて結局は十分にできなかった。だけど参考までに少しやった感じの所感を書いておく。
(a)対訳小説:例)芥川龍之介、オペラ座の怪人など
音声付きの対訳読み物(英語:日本語の両方あり)も実は勉強開始時にいくつかやってみた。でも続かなかった。結局のところすぐ日本語訳に頼ってしまい、あまり意味がない気がしたからだ。ただしこ音声はあとから単独でリスニング教材としては役に立っている部分もある。
(b)ラダーシリーズ:レベル分けした洋書
いくつか読んで見た。最後まで読んだものもあれば途中でやめたものもある。続くかどうかは難易度よりも、物語が面白いか入り込めるかだけの気がする。
・最後まで読んだ:風と共に去りぬ、80日間世界一周、シャーロックホームズ、エルキュールポワロ
・途中でやめた :嵐が丘、レ・ミゼラブル、グリム童話
一番面白かったのは「風と共に去りぬ」いつかは原文も読んで見たい。話に引き込まれてすぐに読めたきがする。なおやめた本にコメントすると・・・。
嵐が丘、レ・ミゼラブル:内容が退屈? 簡単な英語にしようとして失敗かも。レ・ミゼラブルは好きなのだけどこの英文は物語にのめり込めない気がした。
グリム童話:ひとつめの「カエルのお姫様?」を読んでやめた。理由はストーリーが荒唐無稽すぎていきなり話が展開しすぎるので、自分が読んでいるのが正解なのかどうかが分からないからだ。あとから訳をネットで探して読んだけど、こんな荒唐無稽な展開わかるか!!と思わず突っ込んだ。
(c)英文朗読のリスニング
一時期不眠になって、その時になぜか英語のリスニング教材をかけているとよく眠れることに気がついた。そこで色々なリスニング教材を探しているうちにフリーの小説朗読サイト(Loyal Books:世界の古典名作)があるのを見つけて試した。だがこれは結構ハードルが高い。読むスピードが早すぎるし、録音状態もまちまちだ。考えてみればTOEICはものすごく鮮明で聞き取りやすいが、ああいうのは普通ないのだろう。
これをどうにか聞こうとして「再生速度を変えたりできないだろうか?」と考えたのがきっかけでついには「ListeningAsistant /iOS App」を自作する。このソフトはわざわざオフタイマーという機能が付いているが、それは元々は私の不眠対策がきっかけで付けたものだ。実はいまでも活用している。
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